赤ちゃんは免疫が未発達であるため、感染に対する免疫力をつけるために生後2ヵ月から予防接種を開始します。(ワクチンデビュー)
予防接種
予防接種
赤ちゃんは免疫が未発達であるため、感染に対する免疫力をつけるために生後2ヵ月から予防接種を開始します。(ワクチンデビュー)
2ヵ月 | Hib(ヒブ)、肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス |
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3ヵ月 | Hib(ヒブ)、肺炎球菌、B型肝炎、4種混合、ロタウイルス |
4ヵ月 | Hib(ヒブ)、肺炎球菌、4種混合、ロタウイルス(5価のみ)* |
5ヵ月 | 4種混合 |
6ヵ月 | BCG |
7ヵ月 | B型肝炎 |
1歳 | Hib(ヒブ)、肺炎球菌、MR、水痘、おたふくかぜ |
1歳6ヵ月 | 4種混合 水痘 |
3歳 | 日本脳炎(Ⅰ期2回) |
4歳 | 日本脳炎(Ⅰ期追加) |
5歳 | MR、おたふくかぜ(3種混合、不活化ポリオ) |
9歳 | 日本脳炎(Ⅱ期) |
11歳 | DT |
小6~高1 | 子宮頸がんワクチン |
同時接種と単独接種では有効性や副反応に差がありません。
ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型による細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎にならないように予防する目的で使われるワクチンです。生後6ヵ月からヒブによる細菌性髄膜炎が増えてきますので、初回3回が6ヵ月までに終了するように、生後2ヵ月から接種を受けるようにしましょう。
肺炎球菌による細菌性髄膜炎・重い肺炎・細菌性中耳炎を予防する目的で使用されるワクチンです。2歳以下の子どもは肺炎球菌に対する免疫がほとんどなく、小児の肺炎球菌感染症が重症化することが多くなりますので、生後2ヵ月から接種するようにしましょう。
B型肝炎は母子感染(垂直感染)や輸血だけでなく、知らない間にかかることも多い感染症です。このウイルスは体に入ると肝炎を起こし、長く肝臓に住み着いて(慢性化・キャリア化)肝硬変や肝臓がんを引き起こします。母親がキャリアでない場合は、生後2ヵ月からヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンなどとの同時接種がおすすめです。
嘔吐・下痢を引き起こし脱水症となるようなロタウイルス胃腸炎と脳炎などを防ぐ目的で使用されます。生後6週から接種できますが、ほかのワクチンとの同時接種を考えて、生後2ヵ月からが最適です。ワクチンの種類によって2回または3回接種しますが、腸重積症が起こりにくいように、生後3ヵ月半過ぎ(生後14週6日)までに初回接種を受けましょう。
ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)の4種類が混ざっているワクチンです。中でも、百日咳は子どもがかかりやすく、かかると症状が重くなりやすい感染症です。生後3ヵ月から接種できますので、他のワクチンと一緒に同時接種を行いましょう。
また、最近小学校入学後の百日咳の患者さんが増えています。 4種混合ワクチンの接種者の抗体低下による百日せきの感染を予防するために、MRワクチンの2期の時期に合わせて3種混合ワクチンを受けましょう。
結核の感染予防の目的で行われるワクチンです。4種混合(DPT-IPV)ワクチンを3回受けた後の生後5ヵ月から7ヵ月頃に接種するのがおすすめです。細い9本の針を皮膚に押しつけるスタンプ方式の予防接種です。接種部位が乾くまで、触らないようにしましょう。
麻疹、風疹の感染予防を目的に使用されるワクチンです。1歳になったらすぐ受けるようにしましょう。麻疹は感染力が強く、空気感染する代表的な感染症です。
風疹に妊娠初期の女性がかかると、生まれつきの難聴、白内障(目のレンズの部分が白くにごって見えなくなる病気)、心臓病、精神運動発達遅滞などを持った先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれることがあります。おたふくかぜワクチンや水痘(みずぼうそう)ワクチンと同時接種が可能ですので、3本同時に接種した方がよいでしょう。
おたふくかぜになると、強い頭痛や嘔吐を認める無菌性髄膜炎や重度の難聴を引き起こす可能性がありますので、予防接種を受けることをおすすめします。1歳で1回、1回目の接種後2~6年たったら2回目を接種します。どちらもMRワクチンと同時接種で受けるのがおすすめです。
全身にかゆみを伴った水疱や発熱を認める感染力の強い病気です。副反応はほとんどないワクチンですが、1回だけの接種では数年以内に約20~50%の人が発症しますので、必ず2回接種しましょう。
ワクチンを接種していると、多くの場合接種しないで自然感染するよりも軽くすみ、水疱のあとも残りにくくなります。MRワクチン、おたふくかぜワクチンと同時接種がおすすめです。
数は少ないですが、脳炎がおこるとけいれんや意識障害がおこし、障害を残すことが多く死亡率が高まります。ワクチンの予防効果などでかかる人は少なくなりましたが、かかってしまうとたいへん重症になります。通常3歳から接種開始ですが、生後6ヵ月から接種できますので、感染者が多い西日本などでは早めの接種がすすめられます。
11歳になったら、ジフテリアと破傷風の二種混合(DT)ワクチンを受けましょう。現在わが国において、小学生高学年以上の年長者の百日せき患者が急増しており、3種混合ワクチンへの変更が望まれています。
子宮頸がんなどのヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を予防するワクチンには、サーバリックス(GSK社)とガーダシル(MSD社)の2種類があり、日本ではいずれも女性に接種します。サーバリックスは、子宮頸がんなどを起こすヒトパピローマウイルス感染症(16,18型)を予防します。ガーダシルは、子宮頸がんなどを起こすヒトパピローマウイルス感染症(16,18型)と尖圭(せんけい)コンジローマなどを起こすヒトパピローマウイルス感染症(6,11型)を予防します。
推奨年齢は小学校6年生~高校1年生相当の女子です。小学校6年生または中学1年生になったら初回接種を受け、1~2ヵ月の間隔をあけて2回目、初回接種の6か後に3回目を接種します。
インフルエンザは脳炎や肺炎をおこしやすい、普通のかぜとはまったく違う重い病気です。小さいお子様では1回の接種だけでは十分な免疫ができませんので、生後6ヵ月以上で12歳まで(13歳未満)は、できれば4週間あけて2回接種します。重症化を予防するのに必要な免疫ができるのは、2回目を接種して2週間ほどたったころからです。
毎年、流行するウイルスの型が違い、それにあわせてワクチンがつくられています。前のシーズンに接種していても予防効果は期待できませんので、原則として毎年2回ずつ接種しましょう。
A型肝炎は汚染された食べ物から感染します。60歳以下のほとんどの国民はA型肝炎に対する免疫がありませんので、どの年齢でもかかります。発展途上国に出かけたり、長期に滞在する場合は、お子様でも必ず受けて下さい。
1歳以上であれば2~4週間の間隔で2回接種し、その約半年後に3回目を接種します。接種量は大人と同じ0.5mlで、皮下または筋肉内に注射します。
予防接種後アレルギー症状などの副反応が出ないか確認するため、30分程度院内で過ごしていただきます。
接種後の授乳はその後になります。
機嫌や食欲、体温などをチェックし、いつも通り過ごして下さい。
軽い運動や接種部位をゴシゴシ擦らなければ入浴して差支えありません。稀に38℃前後の発熱を認めるかもしれませんが、機嫌がよく食欲もあるようであれば一晩様子を見て下さい。
40℃以上の発熱や機嫌が悪くグッタリしたりするようであれば、救急で医療機関を受診して下さい。