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診療案内|旗の台アレルギー・こどもクリニック|「旗の台駅」徒歩3分の小児科・アレルギー科・内科

アレルギー科

アレルギー科Allergic disease

アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり、悪くなったりを繰り返す病気です。

アトピー性皮膚炎
原因
皮膚のバリア機能の低下によって起こることが分かっています。バリア機能が低下すると外からの抗原や刺激が入りやすくなるため、これらが免疫細胞と結びつきアレルギー性炎症を引き起こします。また、かゆみを感じる神経が皮膚表面まで伸びてきてかゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥っています。
検査
アトピー性皮膚炎に特有な血液検査として、TARCの測定を行っています。

この検査は、湿疹が悪化すると高くなり、良くなると低下するという特徴があります。また、特異的IgE抗体検査を行い、ハウスダスト・ダニ・ペット・カビなどが悪化要因としてどのように関与しているかを調べます。

治療
①薬物療法(皮膚の炎症を抑える治療)
②スキンケア(皮膚を清潔に保ち、うるおいのある状態を保つこと)
③環境整備(環境中の悪化因子をみつけ、可能な限り取り除くこと)
の3つが治療の基本で、どれも欠かすことができませんが、治療のポイントは、ステロイド外用剤でしっかりと皮膚の炎症を抑えたあとすぐに治療をやめずに、徐々にステロイド外用剤を塗らない日を増やしていき、炎症を抑えた状態を維持することです。もちろん保湿剤を使って皮膚のバリア機能を整えることも大切です。かゆみのひどい時には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬も併用します。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、本来は体に害を与えない食べ物を異物と勘違いし、免疫反応が過敏に働いてしまう現象です。じんま疹やかゆみ、咳、嘔吐などの症状がおこり、時にアナフィラキシー(全身性にアレルギー症状)を起こすことがあります。日本では食物アレルギーの原因食物として、鶏卵、牛乳、小麦が全体の70%を占めますが、個人によって原因の食べ物は異なりますので、しっかりと診断することが重要です。

症状
  • 皮膚症状:じんま疹、かゆみ、赤み、むくみ、湿疹
  • 粘膜症状:鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)、くしゃみ、口周りの違和感
  • 呼吸器症状:咳、喘鳴(呼吸時にぜいぜいと音がすること)、声枯れ、呼吸困難
  • 消化器症状:嘔吐・はき気、下痢、腹痛
  • 神経症状:頭痛、活気の低下、意識障害
  • 循環器症状:血圧低下、不整脈、頻脈(心拍数が増加している状態)

検査・診断

問診 何歳ごろ、何を、どれくらい食べて、何分後に、どのような症状が出たのかという情報から、原因となる食物、重症度などをある程度予測することができます。
血液検査 特異的IgE抗体検査を行います。特異的IgE抗体は感作の程度を表しているもので、IgEが高いほど強く感作されていることを示しています。しかし、検査が陽性となった食物でも、食べた時の症状を認めなければ食物アレルギーとは診断されず、除去する必要もありません。特異的IgE抗体の値から、食べられる可能性がある食物の量や誘発される症状の強さを正しく推定することは困難です。
皮膚テスト
(プリックテスト)
皮膚の上に直接アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)液を置いて、プリックテスト専用の針で、アレルゲン液を置いた部分の皮膚を、軽く刺します。アレルギーの可能性があると、針で刺された部位に膨疹ができます。特異的IgE抗体検査ができない果物や野菜アレルギーなどでは、この検査が有用です。

食物経口負荷試験

食物経口負荷試験は問診や血液検査、皮膚検査で疑われた食品を実際に摂取してみる検査です。実際に食べてみて症状の有無を判定するので最も確実な診断法ですが、重篤なアレルギー症状が出る可能性がありますので、実施する際にはアレルギーに精通した医療スタッフの監視下で行われる必要があります。

食物経口負荷試験
治療
アレルギーの原因となっている食物を完全に除去する方法(完全除去)と摂取しても症状が出ない量まで摂取可能とする方法(部分除去)があります。乳幼児期の食物アレルギーは年齢を経るにつれ改善し、自然に治癒していく可能性も高いことがわかっており、食品の種類や年齢、アレルギーの重症度などを考慮し治療法を選択します。
最近では、除去した食べ物を少しずつ摂取していく経口免疫療法が行われる場合があります。

気管支喘息

気管支喘息は急に気管支が狭くなり、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」し始めて、呼吸が苦しくなる病気です。気管支喘息の本態は慢性の気道炎症であり、この炎症のために簡単な刺激が入っただけで気管支の壁が腫れたり、痰が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮もうとしたりして気管支が狭くなり発作が起こります。さらに長く炎症が続くと、気管支自体が硬くなって治療が難しくなる「リモデリング」といった状態に陥ります。

原因
気管支喘息の原因は人によってさまざまです。ダニ・ハウスダスト・ペットの毛・花粉・カビなどのアレルゲンが原因の人もいれば、タバコ・ウイルス感染・過労・ストレス・薬剤・大気汚染・気圧の変化・運動などで起こす人もいます。

検査・診断

喘息の検査には、問診・病歴の確認、血液検査、胸部X線写真、呼吸機能検査、呼気NO検査などがあります。

問診・病歴の確認 詳しい症状の経過や家族を含むアレルギー歴、生活環境などを確認する必要があります。
血液検査 気管支喘息の原因を調べるために、ダニ・ハウスダスト・ペットのフケ・花粉・カビなどの特異的IgE抗体を調べます。
胸部X線検査 発作を繰り返すと肺の過膨張(肺が樽状にふくれたり)や透過性の亢進(空気が吐き出せずに溜まって肺が黒っぽく写ります)を認めます。
呼吸機能検査 大きく息を吸った状態から一気に息を吐ききる検査で、スパイロメトリーとも呼びます。気道がどの程度狭くなっているかを客観的に評価する方法で、喘息の診断や重症度、治療効果などをみるのに役立ちます。
呼気NO検査 吐く息の中に含まれる一酸化窒素(NO)の量を測る検査です。一酸化窒素は気管支の炎症が悪くなると上がることが分かっており、この値をみることで、喘息の状態や正しく治療が出来ているかを評価するのに役立ちます。
治療
気管支喘息の治療には、喘息発作が起きた際に行う治療と、喘息が起こらないように長期管理を目的とした治療があります。喘息発作が起きた際には、気管支拡張薬をメインに使用します。
気管支拡張薬には吸入薬や貼り薬、内服薬などがあり、状況に応じて使用薬を選択します。長期管理を目的とする治療では、炎症を抑える作用をもつ薬(吸入ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬など)が主に用いられます。吸入ステロイド薬(パルミコート、フルタイドなど)は、ステロイドの飲み薬や点滴などとは違い、決められた量をきちんと使用していれば、問題となるような副作用の心配はほとんどありません。軽症の患児では、ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノン、シングレア、キプレス)がよく効き、副作用も少なく安全性が高いためよく使用されます。
近年では12歳以上の重症喘息に対して、生物学的抗体製剤(ゾレア、ヌーカラ、ファセンラ(18歳以上)、デュピクセント)が使われるようになってきました。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、アレルギーが原因で起こる鼻粘膜の炎症のことで、「季節性アレルギー性鼻炎」と「通年性アレルギー性鼻炎」に分けられます。季節性アレルギー性鼻炎は、一般に「花粉症」として知られており、特定の季節に植物の花粉が原因で起こります。一方、通年性アレルギー性鼻炎は、ハウスダストが原因で起こり、年間を通して症状が出ます。ハウスダストとは室内のほこりのことで、ダニやカビ、動物の毛などが混ざっています。ハウスダストにアレルギーを持っている人は、スギやヒノキなどの花粉に対してもアレルギー反応を起こすことが多いといわれています。
アレルギー性鼻炎の特徴的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。花粉症の場合は、それに加えて、眼の症状(かゆみ、涙目、結膜充血など)が出ることが一般的です。

治療
アレルギー性鼻炎の治療として、抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の内服、ステロイド薬の点鼻が一般的です。これらは症状を抑える対症療法であり根本的に治すことはできませんが、こうした薬でしっかりと症状を抑えることが大切です。

近年、アレルギー性鼻炎の根治を目指す「アレルゲン免疫療法」という治療法が広く行われるようになってきました。これは、アレルゲンを体内に少量ずつ取り込み慣れさせることで、過敏に反応しないようにする治療法です。現在広く行われているのは「舌下免疫療法」で、口の中にスギ花粉やダニ抗原の入った錠剤を舌下に含ませるという簡単な方法です。最初にしっかりとクリニックで指導を受ければ、自宅での投与・治療が可能です。どちらの方法も効果が出始めるのに数ヵ月かかるといわれており、長期間の継続的な治療が必要です。

アナフィラキシー

アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内に入ることにより、複数の臓器や全身に症状が起こり、生命に危険が及ぶ過敏反応のことです。その中でも血圧低下や意識障害を伴う状態をアナフィラキシーショックと呼んでいます。
アナフィラキシーの原因には食物や蜂の毒、薬剤(抗生剤や造影剤)などがありますが、小児科領域では食物が原因となる例が多数報告されています。
アナフィラキシーを発症した場合には、速やかに医療機関を受診することが推奨されています。すでにアナフィラキシーの可能性があると診断され、「エピペン」を携帯している人は使用して下さい。エピペンとは、医師の治療を受けるまでに一時的に症状を緩和し、ショック症状を防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)です。エピペンで症状が落ち着いた場合でも、数時間経過してから再度症状が起こることがあるため、必ず医師に診てもらいましょう。
アナフィラキシーの再発予防のためには、まずアレルゲンを特定し、回避することが大切です。特定するためには、血液検査、皮膚テストなども参考になりますが、すべてのアレルゲンを特定できるわけではありません。そのため、アナフィラキシーが起こった時点から数時間前までの食事の内容や飲んだ薬、虫刺されなどの一連の出来事を確認することが重要になります。

当院でできること

検査

  1. 血液検査(特異的IgE抗体検査、TARC)
  2. 皮膚テスト(プリックテスト)
  3. スパイロメトリー(呼吸機能検査)
  4. 食物負荷試験(オープン法)
  5. 入院負荷試験が望ましいと判断した場合には、検査可能な施設をご紹介致します。

治療(通常の診療のほか、以下の治療を行っています。)

  1. 舌下免疫療法(スギ、ダニ)
  2. エピペン(アドレナリン自己注射薬)の処方
  3. 抗体製剤(ゾレア、ヌーカラ、ファセンラ、デュピクセント)の投与